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健康・ヨーガシリーズ

『垂直倒立(シルシ・アーサナ)のすべて』─至福の生活ヨーガ
   

広池秋子著
ISBN4-86103-018-8 C0075
A判並製 初版/2004年10月
1500円+税
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本邦初のシルシ・アーサナの書。ハタ・ヨーガはシルシ・アーサナに始まり、シルシ・アーサナに終わる。ヨーガの王様のポーズ。
今、その秘儀を明かし、至福の生活ヨーガに至る。肉体と精神が変貌を遂げ、行き末の人生が好転する。


【目次】
プロローグ 私の開眼─垂直倒立で私は生まれ変わった
第1章 垂直倒立の正しいプロセス─ヨーガの王様、垂直倒立への挑戦
第2章 垂直倒立の前にしておくとよいポーズ─ゆがみを直し、伸ばして軟らかく
第3章 垂直倒立を体感する─体が変わった 心が強くなった
第4章 垂直倒立に準じたポーズ─垂直倒立が自然にできるように
第5章 垂直倒立の奇跡─万病を予防し、生命力を強化する
第6章 ヨーガの霊性─垂直倒立は、悟りへの道を拓く
第7章 心の理想郷─宇宙マンダラの世界への誘い
エピローグ 垂直倒立の完成─晩年の垂直倒立、至福の境地


  
「垂直倒立」はチャクラを目ざめさせる
  ヨーガの修行法には、クンダリニー・ヨーガといって、チャクラを覚醒して超人的エネルギーを開発する行法がある。
  私たちの背骨の中に七ヶ所のポイントがあって、普通の人はヘドロのように詰まっているので、自分がどんなに素晴らしい能力を持っているか、気がつかない。その能力を一生眠らせたまま人生を終わらせてしまう人が多い。ヨーガのチャクラ開発は、自分で自分の中に眠っている能力を目ざめさせ、開発していく方法である。

・ムーラダーラ・チャクラ=会陰部のあたりににあり、エネルギーの根源で、目ざめると世界を動かすほどの力が出るといわれる。
・スヴァーディシュターナ・チャクラ=黄金の子宮と呼ばれ、性的能力が旺盛になる。
・マニプーラ・チャクラ=臍のあたりにあり、開発されると病気が治る。
・アナハータ・チャクラ=胸の中央あたりにあり、病人を治す力が備わる。
・ヴィシュッダ・チャクラ=喉のあたりにあり、精神能力に目ざめ、長寿が叶う。
・アージナ・チャクラ=眉間のあたりにあり、超能力が生じる。
・サハスラーラ・チャクラ=頭頂にあり、自由自在の超越した境地に至る。

  これらのチャクラ覚醒の具体的な方法として、ヨ−ガのポーズはいろいろあるが、「垂直倒立」こそ、もっとも効率が高いといえよう。

第三の眼
  ネパールの首都カトマンズに目玉寺がある。遠くからでも見える高い大きな塔に、縦型の大きな目が描かれている。
  日本の三ツ目小僧は化物だが、ここでは「第三の目」として信仰の対象になっている。私は第三の大きな目は哲学的な意味で、賢者の表現だと思っていた。
  ところが最近、ヨーガで首を動かすポーズをしていた時、まさに眉間に縦縞の長い目が、頭頂に向けてすうーっと走ったのである。「えっ、第三の目」と自分でも驚いた。三十数年もヨーガを学び、八十四歳にしてはじめての経験である。
  そのポーズでは「垂直倒立」の準備体験として「ツイスト」のポーズまたは「時計の針」のポーズで、体は横向き、顔は真下向きに充分ねじる。すると鼻づまりは即座に解消。さらに眉間のアージナ・チャクラから、頭頂のサハスラーラ・チャクラまで一気に目ざめたという実感なのだ。
  その後は劇的な実感が得られないけれど、首や頭をいろいろ動かすことによって、頭蓋骨内のあちこちに血液が送られるのを感じることができるようになった。思うに、老年になって血管が老化し、首から頭への血流が滞っていた時に、「垂直倒立」を励行することで、活性化の兆しが見えてきたのではないだろうか。

(第6章 ヨーガの霊性─垂直倒立は、悟りへの道を拓くより<抜粋>)

晩年の「垂直倒立」研究
  私が「垂直倒立」のすばらしさを推奨し、教室でも指導していることで、インド通の人たちから、危険だから止めた方がよい、という注意を再三受ける。
  私は満八十歳まで「垂直倒立」がとにかくできた。著書には、いつもその時にできた倒立の写真をのせ、これまで倒立で一度も事故を起こさなかったことを自慢に思っている。
  最近、テレビでインドのヨーガ教室風景を見ていたら、倒立指導が非常に間違えていることに驚いた。だから頸椎を痛めて廃人になったりするのだと知った。そこで倒立を根本的に見直し、研究する必要と使命を痛感した。
  この本を出すに当たって、八十四歳の今日、私はあらためて「垂直倒立」にとり組んだわけだが、そこで愕然とした。自分の腰に力がなくて、両足が以前のように揃えたまま、すっと軽く上がらないのである。勿論壁に向かってなら出来るが、壁や人の支えなしである。私も八十歳を過ぎてから、かなり老化を自覚していたので、多忙のせいもあって倒立を殆どしなかった。それで腰と下腹部の筋肉がたるんで、筋力が落ちてしまったのだ。
  そこでまず、腰のたるみを治して筋力をつけるために「腰のばし」をして臍下丹田を整えた。数日で足は上がるようになったが「倒立」の垂直度が問題で、全身がすっきり伸びないのである。
  これも老化のせいで、体を支える腕と肩の筋力が非情に衰えていることがわかった。元来私の腕は骨格がゆがんでいたので、若い頃から力が弱かったが、さらに軟骨が老化して固くなり、縮んだ分だけ筋肉や皮膚がたるんで、とくに左手が弱く、肘が外にひろがってしまうのである。頭を支える肘がひろがると、バランスが崩れて体が傾いてしまう。それをがんばっていれば、頸椎がそうでなくて変形もしやすいのだから、たちまち首の椎間板ヘルニアとかむち打ち症になってしまう。
  従って、両腕と肩の筋力をつける為に「勾玉のポーズ」で、特に小指側を伸ばすこと。充分伸びたところで吐く息の長い呼吸を入れて、左右十回ずつ。私はこれをその都度励行している。「垂直倒立」は、くどいようだが頭で立つのではなくて、肘で立つことを、その都度自覚して、腕が広がらないように、首や頭に負担がかからぬように、念には念を入れて気をつけることが肝要である。
  私はここ半年くらい実に努力し、工夫を重ねてきた。するとありがたいことに、成果がはっきり現れてきたのである。
  近年、持病のリュウマチから足腰が非情に重くこわばり、走ることも、跳ぶことも、正座も出来なくなり、階段もつらく、ただ歩くのさえ億劫になっていた。夜中の三時前後には気分の悪い痛みが起こり、その都度ヨーガで治すために熟睡も出来なかった。また、右手首が文字を書き続けるとじんじん痛み、右の首筋まで凝り、口内炎まで起こすようになった。目の疲労も増し、一人暮らしゆえに、白内障の手術を受けねばならぬ日が来るのではないかと恐れていた。
  それが「垂直倒立」によって、臍下丹田を意識的に整え、正しい姿勢を心がけ、脳内の血流がよくなってから、全身がすっきりと軽くなってきたのである。
  肉体の一時的な苦痛解消法としては、ゆったりと入浴することも効果的ではあるが、ヨーガの「垂直倒立」では、もっと根本的解消法として、不安が希望に変わり、充実感、満足感が得られるのである。
  それは「垂直倒立」によって、自律神経の不調が整い、機能の活性化が身と心で感じ取れ、さらに天と地の間に垂直に立つことによって重力からの抵抗感が消える。空中に浮いたような浮遊感。無我の実感で、これこそ欲を離れた清浄な至福感の境地といえよう。

(エピローグ 垂直倒立の完成─晩年の垂直倒立、至福の境地より<抜粋>)

 
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