『パンチャタントラ』は、インドの古代説話集のひとつで、サンスクリット語で五巻の本のことをいいます。インドでは子どもから大人まで知らない人はいないほど親しまれているお話です。多くの異本が伝わっていて、話の数も八〇前後とそれぞれ違うようですが、本書には、それらの話の中から再話者が、序文の話を含め三〇話を選んで英語で編んでいます。また、読み継がれる時代の流れの中で、話の細部も解釈も変っていくように、本書にも、再話者自身による現代にふさわしい味付けや省略が施されています。「ワニとサル」や「聖者の娘の結婚」が、日本の民話「サルの生き胆」や「ネズミの嫁入り」とそっくりであることに驚かれるかもしれません。「サギとカニ」や「網にかかったハトたち」も、「サギとカニ」「りょうしとうずら」の題名で日本の民話の中に入っています。この他にもインドから日本に伝わってきた話が知られています(あとがき)。
【目次より】
1「パンチャタントラ」ってなに?/2ライオンとウサギ/3三匹の魚/4まぬけなサル/5歌うロバ/6おしゃべりカメ/7青いジャッカル/8ジャッカルとライオン/9あみ網にかかったハトたち/10生きかえったライオン/11二つの頭をもったツル/12サルとワニ/13忠実なマングース/14猫のしんばん審判/15ネズミを売った男の子/16せいじゃ聖者のむすめ娘のけっこん結婚/17はたお機織りと木の神様/18くうそう空想にふける男/19鳥とおうごん黄金のふん/20男と三人のならず者/21二頭のヒツジとジャッカル/22トラの皮を着たロバ/23サギとカニ/24お母さんライオンとジャッカルの子ども/25王様とサル/26サルとスズメ/27鳥の王様えらび/28四人の友だち/29カラスとヘビ/30本好きの男たち |